予防接種

予防接種について
当クリニックでは、生後2ヶ月から同時接種を行います。
小児の予防接種は生後2ヶ月から始まります。小児のワクチンは種類が多く、接種時期・回数は非常に複雑ですので、わからないことがあればご相談ください。予防接種の方法、同時接種できるワクチンについてなど健診と一緒に予防接種を行うことも可能です。
予防接種の時間帯でご来院が難しい場合は、お電話にてご相談ください。
(この場合も予約が必要です。)
予防接種の2つの役割
お子さま自身の防衛
ワクチンとは感染症の原因となるウイルスや細菌の毒性を弱めたり無毒化したりしてつくられたもので、免疫をつくることができる薬剤です。予防接種によってワクチンを体内に取り入れることで、特定の病気にかかりにくくしたり、重症化を防いだりすることができます。
ワクチンの開発によって、多くの命が救われるようになりました。お子さまの健康を守るためにも、きちんと予防接種を受けましょう。
まわりの人々の防衛
予防接種は、お子さま自身だけでなく周りの健康を守るのにも欠かせないものです。感染症にかかると家族や友達、お腹の中の赤ちゃんなどにうつすおそれがあります。また、体質や年齢によりワクチンを受けられない人、ワクチンを打っても十分な免疫を得られない人を守るためにも予防接種は有効です。みんなが予防接種を受けることで、感染の拡大を防ぐことができます。
予防接種の種類(2025年1月現在)
定期予防接種(0歳~)
ロタウイルス(どちらか一方を選択)
ロタウイルスは、乳幼児によくみられる急性重症胃腸炎の原因ウイルスです。ほぼすべての子どもが5歳までにかかるといわれるくらい、ポピュラーな病気として知られています。
2~4日の潜伏期間を経た後に、激しい下痢や嘔吐、腹痛や発熱などがあらわれます。ロタウイルスに感染すると、体の水分が失われて脱水を起こしやすくなるため注意が必要です。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
---|---|---|
ロタリックス(1価) | 出生6週0日後~24週0日後 | 2回 |
ロタテック(5価) | 出生6週0日後~32週0日後 | 3回 |
5種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ)
ジフテリア、百日せき、破傷風、急性灰白髄炎(ポリオ)、ヒブ感染症(ヒブ)に対する免疫をつくるワクチンです。これらの病気は命を失ったり麻痺などの後遺症を残したりするおそれがあるため、予防接種を受けることはとても重要です。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
---|---|---|
第1期 | 生後2ヶ月~7歳6ヶ月未満 | 生後2ヶ月~生後7ヶ月未満:初回3回+1回 生後7ヶ月~1歳未満:初回2回+追加1回 1歳~5歳未満:1回 |
小児用肺炎球菌
肺炎球菌は肺炎球菌感染症の原因となる細菌で、主に気道の分泌物によって感染します。5歳未満で感染することが多く、集団生活を送っているほとんどの子どもが菌をもっているといわれています。
保菌していても必ず症状があらわれるわけではなく、無症状のまま過ごしていることも少なくありません。しかし、何かのきっかけによって菌が進展すると、肺炎や気管支炎、中耳炎や副鼻腔炎などを引き起こしてしまいます。また、敗血症や髄膜炎など重篤な病気を引き起こすおそれもあるため注意が必要です。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
---|---|---|
小児用肺炎球菌 | 生後2ヶ月~5歳未満 | 生後2ヶ月~生後7ヶ月未満:初回3回+1回 生後7ヶ月~1歳未満:初回2回+追加1回 1歳~2歳未満:2回 2歳~5歳未満:1回 |
B型肝炎
B型肝炎ウイルスに感染することで、肝臓に炎症が起こる病気です。感染したまま適切な治療を行わないと、慢性化して肝硬変や肝臓がんなどを引き起こすおそれがあります。
子どもの感染経路は母子感染がもっとも多く、分娩時にB型肝炎に感染している母親からうつることが多くなっています。また、汚染された血液の輸血や、感染者との性行為によって感染することもあります。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
---|---|---|
B型肝炎 | 1歳未満 | 3回 |
BCG
結核を予防するためのワクチンです。結核菌は肺で増殖することが多く、咳や痰、発熱などかぜのような症状があらわれます。また、肺以外にも腎臓や脳、リンパ節や骨などの臓器で増殖し支障を生じることがあります。子どもは肺だけでなく、全身が侵されやすいので注意が必要です。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
---|---|---|
BCG | 1歳未満 | 1回 |
インフルエンザ菌b型(ヒブ)
※新規の方は5種混合に含まれているため、接種の必要はありません
ヘモフィルスインフルエンザ菌b型という細菌に感染することで発症します。唾液など気道の分泌物によって感染することが多く、好発年齢は5歳未満です。感染しても症状があらわれないことが多いのですが、まれに肺炎や敗血症など重篤な病気を引き起こすことがあります。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
---|---|---|
インフルエンザ菌b型(ヒブ) | 生後2ヶ月~5歳未満 | 生後2ヶ月~生後7ヶ月未満:初回3回+1回 生後7ヶ月~1歳未満:初回2回+追加1回 1歳~5歳未満:1回 |
4種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)
※新規の方は5種混合に含まれているため、接種の必要はありません
ジフテリア、百日せき、破傷風、急性灰白髄炎(ポリオ)を予防するためのワクチンです。これらのワクチンを接種することで、免疫をつくり病気にかかりにくくすることができます。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
---|---|---|
第1期 | 生後2ヶ月~7歳6ヶ月未満 | 生後2ヶ月~生後7ヶ月未満:初回3回+1回 生後7ヶ月~1歳未満:初回2回+追加1回 1歳~5歳未満:1回 |
定期予防接種(1歳~)
麻しん・風しん(混合)
麻しん(はしか)、風しんを予防するためのワクチンです。麻しんウイルス・風しんウイルスは感染力が強く重篤な症状を引き起こすおそれがあるため、ワクチンを接種して予防することが大切です。
近年は成人の間で流行がみられ問題となっています。成人が感染すると重症化することが多く、妊娠初期の妊婦が風しんになると胎児に影響を及ぼすおそれがあることから、成人にも接種が推奨されるようになりました。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
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第1期 | 1歳~2歳未満 | 1回 |
第2期 | 幼稚園・保育園の年長児相当 | 1回 |
水痘(みずぼうそう)
水痘帯状疱疹ウイルスの感染によって起こる、水痘を予防するためのワクチンです。9歳以下でかかることが多く、全体の9割を占めています。
主な症状は発熱とかゆみを伴う発疹で、全身にあらわれた赤い発疹が水疱となり、かさぶたになって治っていきます。子どもが重症化することは少ないといわれていますが、肺炎や気管支炎、熱性けいれんなどの合併症を起こすおそれがあるため注意が必要です。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
---|---|---|
水痘 | 1歳~3歳未満 | 2回 |
日本脳炎
日本脳炎ウイルスの感染によって起こる、日本脳炎を予防するためのワクチンです。ウイルスをもっている蚊に刺されて感染すると、高熱や頭痛、嘔吐などが突然あらわれます。意識障害や麻痺などを引き起こすだけでなく、後遺症を残したり命を奪ったりすることもあるため予防接種が重要になります。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
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第1期 | 生後6ヶ月~7歳6ヶ月未満 | 初回2回+追加1回 |
第2期 | 9歳~13歳未満 | 1回 |
2種混合(ジフテリア・破傷風)
ジフテリアと破傷風を予防するためのワクチンです。ジフテリアと破傷風はかかると重篤な症状を起こすことが多く、後遺症が残ったり命を失ったりすることがあるため予防接種によって感染を防ぐことが大切です。
第1期の予防接種として4種混合もしくは3種混合ワクチンを接種した人に、第2期の予防接種として1回接種します。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
---|---|---|
2種混合(ジフテリア・破傷風) | 11歳~13歳 | 1回 |
ヒトパピローマウイルス(HPV)
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するためのワクチンです。主に性的接触によって感染し、性的接触を経験した人の多くが感染しているといわれています。150種類以上の遺伝子型があり、遺伝子型や感染する部位によってあらわれる症状が異なります。
子宮頸がん、膣がん、陰茎がん、肛門がん、中咽頭がん、尖圭コンジローマなどを引き起こすおそれがあります。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
---|---|---|
ヒトパピローマウイルス(HPV) | 小学校6年生~高校1年生相当の女子 | 2~3回 |
任意接種
おたふくかぜ(ムンプス)
ムンプスウイルスの感染によって起こる、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)を予防するワクチンです。飛沫感染や接触感染によって感染すると、2~3週間の潜伏期間を経て発症します。主な症状には耳下腺の腫れや痛み、発熱などがあり、髄膜炎や脳炎、膵炎や難聴などの合併症を起こすおそれもあります。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
---|---|---|
おたふくかぜ(ムンプス) | 1歳・年長 | 2回 |
インフルエンザ(不活化)
インフルエンザウイルスの感染によって起こる、インフルエンザを予防するワクチンです。不活化ワクチンには生きたウイルスが入っていないため、接種後にウイルスが増殖することはありません。そのため、一定期間を過ぎると免疫力が弱まります。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
---|---|---|
不活化インフルエンザワクチン(皮下注射) | 1歳~12歳 | 2回 |
13歳以上 | 1回 |
インフルエンザ(生ワクチン)
インフルエンザウイルスの感染によって起こる、インフルエンザを予防するワクチンです。生ワクチンは生きたウイルスを弱毒化したもので、不活化ワクチンと同等程度の予防効果とされています。鼻に点鼻する経鼻タイプの接種が行われています。1回で十分な効果が得られるため、2回の不活化(注射タイプ)よりも回数が少ないのがメリットです。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
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生インフルエンザワクチン(点鼻) | 2歳~18歳 | 1回 |
3種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)
3種混合(DPT)ワクチンは、ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)を予防するためのワクチンです。適切な回数と間隔でワクチン接種を行うことにより、免疫獲得率をほぼ100%にできます。3種混合にポリオ、ヒブを加えた5種混合ワクチンは、現在定期接種に定められています。
高い免疫獲得率ですが、乳幼児期に接種後、徐々に百日咳の抗体低下が起こることで学童期に百日咳に罹患することが近年問題となっています。費用はかかりますが、就学前に接種をお勧めいたします。
また11、12歳で定期接種化されている2種混合DTワクチン(公費)の代わりに、3種混合DPT(自費)ワクチンを接種することをお勧めいたします。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
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3種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風) | 就学前または11~12歳 | 1回 |
不活化ポリオ
ポリオウイルスの感染によって起こる、ポリオ(急性灰白髄炎)を予防するためのワクチンです。以前は飲むタイプの生ポリオワクチンによる接種が行われていましたが、2012年から不活化ポリオワクチンを注射によって接種するようになりました。3種混合ワクチン、4種混合ワクチン、5種混合ワクチンでも不活化ポリオを接種することができ、5種混合ワクチンは現在定期接種になっています。
種類 | 接種対象年齢 | 接種回数 |
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不活化ポリオ | 生後2ヶ月 | 4回 |
予防接種の注意事項
- ワクチンの接種前と接種後それぞれ30分間は、飲食や授乳をお控えください。
- ワクチン接種後10分間はアナフィラキシーのリスクがあるため待合室に、何もなくても30分程度は、出来るだけ当院の近くにいてください。万一、お子さまに異常がある場合(ぐったりしている、呼吸がゼイゼイするなど様子がおかしい、迷走神経反射からくる失神等)は至急当院にご連絡ください。
- インフルエンザワクチンには、微量ながら卵白が含まれているので、鶏卵によるアナフィラキシーショックの経験がある方には適応できません。
- 麻疹や風疹、水痘やおたふくかぜの予防接種にはエリスロマイシンやカナマイシンという抗生物質が配合されているので、この抗生物質に対するアレルギーがある方は接種を控えてください。
- 何らかの都合で指定の時期に接種されなかった場合も、自費での接種は可能ですので、ぜひご相談ください。
予防接種の際にお持ちいただくもの
- 診察券
- 母子手帳
※必ずご持参ください - 予防接種・ワクチン
接種用紙
※必ずご持参ください - お薬手帳
ご予約
当院では、診察の待ち時間を少なくし、また感染のリスクを抑えるためにもWeb予約を取り入れています。
当院の受診がはじめての方(診察券をお持ちでない方)も予約ができますので、どうぞご利用ください。
またご来院前にWeb問診にご協力いただけますと、スムーズにご案内が可能です。
Web予約はこちらから。お電話からの予約も受け付けています。
【電話受付時間】 9:00~12:00 / 14:30~18:30
※土曜日は、9:00~15:00
【休診日】水曜、日曜、祝日